
About YANTOR

BRAND CONCEPT
- SITUATIONS -
ファッションを身体・衣服・空間の関係性からなる状況的なものとして捉えており、「布を纏うように」という起源的な感覚を現代の衣服に落とし込んだユニセックスファッションを提案。
ブランド設立期から、民族文化や宗教服に存在するコンセプチュアルな側面と、布という平面を身体に合わせた時の偶発的な皺や余りといった身体的な側面をモチーフとして取り入れた表現を特徴としています。

また2013年より、ファッションをツールにあらゆる地域の人々とコミュニケーションを取るプロジェクト「Project ONEbyONE」をスタート。
これまでにインド・ラジャスタン、チベット文化圏のラダック、ミャンマー・インレー湖、2018年からは生地の生産地であるインドのバラナシとコルカタ、またバングラディシュとの国境付近にあるフリアという町など様々な地域にデザイナー自身が直接出向く。
そこでファッションと通じて民族文化や宗教の考え、大量生産では成し得ないひとつひとつに心を込めている素晴らしい生産者たち、その地域の人々との関係性を時間をかけて、構築することで、普段伝統服を着用している民族の方にYANTORを着用してもらう。

どれだけ凄いことかは日本の舞妓さんに、外国の方がいきなり「スーツを着て日常的に生活をしてほしい。」と言われても、着れない感覚と言えば分かりやすいかも知れません。
様々な文化を守る中で、お仕事としている方がいる一方、今回紹介する「Project ONEbyONE」の中の方々には日常的な伝統、他や発展を拒む習性、受け継がれていく歴史、生まれ持って背負っているものがあります。
時に同ブランドのデザイナーは、生産者・着用者に感謝のお礼にYANTOを差し上げ、数年後に再度出向いた時に作為的ではない、環境に応じた現実的な経年変化、アジア的な解釈で不要になったものは捨てるのでは無く、布としてまたは雑巾として、有り難く使用する、そのさまも新たなYANTORとして捉えるという取り組みをしています。

一年に一度のコレクション発表
更に濃い内容を提案したいとの事で、2021年からは、一年に一度のコレクション発表となりました。基本的にインドや、チベット、ミャンマーなどで生地を生産、縫製は技術の高い日本で仕立てております。
一着の衣服、生地、時にはパーツを、それぞれの地域の人々やその土地・国々の空気を通しながら、旅をして日本に戻って来るようなプロダクトとなっております。

ONE by ONE
あらゆる地域にはその地特有の文化がある。着ている衣服は文化や生活を身体に投影し、私たちにその人を想像させる。
服を着るという行為はおそらく多くの人にとって日々の習慣であり、他者の干渉のない日常的行為であろう。
私たちは服を着せるという行為によりその日常の一部を共有し、直接的なコミュニケーションを試みる。相手の五感に訴えかけながら衣服はその空間に溶け込んでいき、やがて生活の一部となった風景が現れる。
衣服を着るという行為によりその日常の一部を共有し、日常的行為はシチュエーションによって姿を変え、一人一人の人間の存在を引き立て、美しさを映し出す。
衣服を着せるというコミュニケーションによりそこにいる人との繋がりが生まれ、その時・その場を共有することができる。

Rajasthan
乾いた岩山がどこまでも続く北インド・ラジャスタン。

異なる宗教が混在する中、人々は其々の布を纏い日々を送っています。

Ladakh
標高3500Mを越えるヒマラヤ山脈とカラコルム山脈の間に位置するチベット文化圏のラダック。
厳しい環境が外からの文化を拒み、静寂の中に生きる美しい人々。

Inle
ミャンマー シャン州の高原に位置するインレー湖。
水面と雲は重なり合い一帯に広がる青の世界。

水上の村-Maing Thauk-に暮らす人々は船に乗り、彼らの身体は水のように美しく流れる。

Varanasi
インドの大巡礼地であるヴァラナシ。
ガンジス川に接するガートには毎日多くの人々が集まり、川はここで生活する彼らの日々の営みに寄り添っている。
歴史が時間を超えて紡がれ、多くの文化や宗教が入り交る混沌とした街。

布を身体に纏い、布を手で織る彼らにとって、それは集団的なアイデンティティであり、生活の一部となっています。

郊外にあるイスラムの村“hamiv poor”は、100年以上前から手法を変えずに手織りを続ける織り場。織手は世代を超えて受け継がれ、彼らは一定のリズムを刻みながら、膨大な時間をかけて一反の生地を作りあげる。

流れるように過ぎ去る現在の中で、姿を変えずに日々の生活を送る人々
時間には継ぎ目がない過去・現在・未来は同じ織物に織り込まれている。